山本 マサヤ
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「悪いニュースと悪いニュースどちらから聞きたい?」
映画やドラマでよく聞くセリフですね。
映画の中では、相手が選ぶことになりますが、仕事場でこんなことはなかなか言えないと思います。
おおよその確率で「ふざけるな!」と言われそうです。
じゃぁ、いいニュースと悪いニュースがあるとき、どちらか話すと相手は話を聞いてくれるのでしょうか?
A(いいニュース→悪いニュース):「資料のデザインは素晴らしい!でも、誤字が多いね。」
B(悪いニュース→いいニュース):「君の資料は誤字が多いね。でも、デザインは素晴らしい」
結論:悪いニュースから
韓国のソウル国立大学のサンハエ・スー氏らは、88名の男女を対象に調査「あなたは近日、友達とすごく楽しい時間を過ごす」と「あなたは近日、250ドルの金券をなくす」という2つのイベントが与えられたとき、そのイベントの順序によって人々の感情がどう変化するのかを調べた。
その結果、およそ75パーセントの人たちは、悪いイベントを最初に与えられたほうが、幸福感につながっていた。
なので、悪いニュースから伝えたほうがよいということがわかっている。
しかし、人間の心理はそうもうまくは行かない。
米カリフォルニア大学リバーサイド校のアンジェラ・レッグとケイト・スウィーニーの実験がある。
話す側と聞く側に「いい話から聞きたいですか?悪い話から聞きたいですか?」というアンケートを行った。
聞く側:「悪いニュースを先に聞きたい」という人が75%超
伝える側:「良いニュースを先に、悪いニュースを後に話したい」という人が65~70%
伝える側としては、悪いニュースを伝えることを先延ばしにしたいという心理が働いています。
この先延ばしの心理は脳の偏桃体という箇所が原因となっています。
偏桃体は恐れや不安、危険の可能性を含む刺激に対する闘争・逃走反応を司る部分で、誰もが悪いニュースを伝えるというリスクに逃走反応を起こします。
悪いニュースから伝えることは、人間の本能に反する行為なので、かなり精神力が必要です。
簡単ではありませんが、効果的なコミュニケーションを行うにはトレーニングが必要です。
参考:
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