山本 マサヤ
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こんにちは、山本マサヤです。
心理学に関するニュースを探しているといつも、面白いニュースや論文に行き着きます。
調べ始めると、ブログを書くことを忘れてしまうほど。。。。
(2日サボりました。。。。。)
そうやって、心理学に関する調べ物をしている中で見つけた、面白い会社をご紹介します。
その名も、プラセボ製薬株式会社
この会社がなかなか面白いんです!
「製薬」というキーワードが社名に入っていますが、会社のホームページには
引用:プラセボ製薬株式会社
えっ!ウソ?!?!
引用:プラセボ製薬株式会社
えっ、なし?!?!
プラセボ製薬という社名から医薬品を製造している会社を想像されるかもしれませんが、そうではありません。実のところ、医薬品を扱ってはいませんし、ましてや医薬品の製造だなんてとんでもない(現在のところ、医薬品等の製造販売業・販売業許可を得ていません)。
当社が扱っているのは食品です。でんぷん等の各種食品成分を成形した製品を「プラシーボ食品」と称し、本物のプラセボ(偽薬)と明示して販売しております。
引用:プラセボ製薬株式会社
偽薬?!?!
「一体何を売ってるのか謎・・・?」
だんだん興味を惹かれてきませんか?
心理学を多少知っている方は、このプラセボ(またはプラシーボ)というキーワードにピンと来るのではないでしょうか?
まずは、「そもそもプラシーボ効果とは何か?」について解説していきましょう。
[su_heading size=”20″]プラシーボ効果とは?[/su_heading]
みなさんも一度は聞いたことがあると思いますが、プラシーボ効果とは、薬効成分を含まない偽薬を薬と偽って投与された場合、人間の思い込みの力で患者の病状が回復するような治療効果を「プラシーボ効果」と言います。
実は、「痛み止めの薬です」と言われてなんの効力もない偽薬を飲ませた場合に「痛みがなくなる」効果が現れるのは、一般的には30%程度だと言われています。
プラシーボ効果について詳しい説明はこちらの動画がおすすめです。
[su_youtube url=”https://youtu.be/z03FQGlGgo0″ width=”520″ height=”300″]
「そんなバカな!思い込みで痛みが消えるわけないじゃないか!証拠を出せい!!」
と、思う方もいると思うので、ここで過去の実験をご紹介いたします。
1978年、米カリフォルニア大学のジョン・レヴィン率いる研究グループは、親知らずを抜歯後の患者40人へ、痛み止めと称した偽薬を投与した。
これにより、全員ではないものの大半の患者が痛みの緩和を報告。
その1時間後、レヴィンはまたもや“薬”として生理食塩水を処方。
ただし、17人の患者には痛み止めの効果を失くすナロキソンを施した。
すると、ナロキソンを投与された患者たちは、再び痛みを訴えるようになったという。
出典:「信じることの“脳力”:痛みの緩和だけではなく心地良さを増幅させるプラシーボ効果」
なんと、偽薬を投与することで、抜歯による痛みが軽減されたのです!
それだけでなく、痛み止めを緩和する薬(偽薬)を投与されると痛み始めためのです!
プラシーボ効果は人間の思い込みの力を使い、人をコントロールさせることに成功していると言えます。
「病は気から」という、ことわざもあながち正しいようですね。
また、ちょっと、疑似科学っぽいですが、
ニューヨークのコロンビア大学医学部のハーバート・スピーゲルが実験したことだ。彼はイマジネーションを利用する実験で、米国陸軍のある伍長を被験者にした。彼は、この伍長に催眠術をかけて催眠状態にしたうえで、その額にアイロンで触れる、と宣言した。しかし、実際には、アイロンのかわりに鉛筆の先端で、この伍長の額に触れただけだった。
その瞬間、伍長は、「熱い!」と叫んだ。そして、その額には、みるみるうちに火ぶくれができ、かさぶたができた。数日後にそのかさぶたは取れ、やけどは治った。この実験は、その後四回くり返され、いつもまったく同じ結果が得られた。
さて、五度目の実験の時には、状況はやや違っていた。この時には伍長の上官が実験に同席していて、この実験の信頼性を疑うような言葉をいろいろ発していた。被験者に迷いや疑惑を生じさせる状況のもとでおこなわれたこの時の実験では、もはや伍長にやけどの症状が現れることはなかった。
「心の潜在力プラシーボ効果」 広瀬弘忠 より
う〜ん。。。。これは、どこまで本当かは判断し難いですね。
これとよく似た現象としては、聖痕現象も取り上げられます。
聖痕(せいこん)は、イエス・キリストが磔刑となった際についたとされる傷、また何らかの科学的に説明できない力によって信者らの身体に現れるとされる現象。
ちょっとオカルトっぽくなってしまうので、これくらいにしておきましょう。
さて、これでプラシーボ効果については、ご理解いただけたと思います。
では、話をプラセボ製薬に戻しましょう。
[su_heading size=”20″]プラセボ製薬のここが面白い[/su_heading]
プラセボ製薬の商品としては、お菓子のような錠剤が3種類あります。
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最初にもご紹介しましたが、効果・効能はありません。
(ちょっと空腹が満たされる程度でしょうか。笑”)
原材料名を見ても、
原材料名:還元麦芽糖/結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム、微粒二酸化ケイ素
ちょっと甘いラムネみたいな感じでしょうか。
なので、「製薬」という名前が入ってますが、厳密には製薬会社ではありませんし、薬を販売しているわけではありません。
じゃぁ、何のために薬みたいな食品を売っているのか?
利用目的にご注目
- 錠剤・粒の薬を飲む練習
練習とは数多くの失敗といくつかの成功体験を積み重ねることだと考えれば、“失敗できる”偽薬は練習に最適です。 - 介護をスムーズにする偽薬として健康に不安を抱える高齢者の中には今そこにある苦しみから何としても解放されたいとの思いから、ある医薬品に執着し大量に服用される方がおられます。執着する対象は胃腸薬であったり、睡眠導入剤、抗うつ剤、頭痛薬、便秘薬、緩下剤であったりと様々ですが、そうしたホンモノの医薬品を飲みすぎるがために健康を害していると思われる場合が多々あります。また認知症高齢者においては、一度規定量の薬を服用したにもかかわらず認知症状のためにその事実を失念し、何度も薬を飲みたがることがあります。こうした場合に本人の意向を否定せずスムーズにご対応いただくための偽薬として、既に多数のご家族さま、介護事業者さまに『プラセプラス』をご利用いただいております。詳細は以下をご参照ください
。
なるほど、高齢者介護には、このような問題があったのですね。
プラシーボ効果に直接関係はないですが、
これから深刻化する高齢者増加問題の課題の1つを解決しようとする姿勢も見られます。
また、プラセボ製薬はプラシーボ効果による医療費削減の実現可能性を示唆しています。
「プラセボ効果」による医療改革
プラセボで、増大する医療費に一つの変曲点を。
プラセボで、医薬品を相対化する試みを。「プラセボ効果」を有効に利用できれば、低コストかつ高クオリティな医療を実現できるかもしれない。
プラセボによる医療費低減について »
医療費の抑制は、現代日本における必須の課題です。「将来世代へ負担を先送りしてでも、これまで通り医療に頼り続けたい!」と思われるなら別です(もちろん、そのように考えても良いわけです)が、もし問題意識を共有されるなら、一度「健やかな健康観」すなわち、「医療に頼ることなく健康を管理し、その結果に責任を持つ態度」について考えてみてください。
引用:プラセボ製薬株式会社
プラセボ製薬はプラシーボ効果の可能性と、新たな健康観の普及を目指して、偽薬(人の為になる薬)を作り続けているようです。
温暖化対策として心理学者と環境省が新規事業を作ったり、
プラシーボ効果による医療費削減を目指すなど、
心理学が日本を良い方向に変えようとする動きはワクワクしますね。
私もアクションを起こさなければ。
プラセボ製薬の商品は以下から購入できますので、
もし、興味がありましたら、ぜひ、購入してみてください。
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参考:
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